社交ダンス、ダンサーの姿勢作りについて

社交ダンスのプロダンサーの立ち姿、一般の方から見ると

かなり姿勢が良いと感じるのではないでしょうか?

下の骨格のうち、左側がふつうの人、右側がダンサーの骨格を

横から見たものになります。

大きく違って見えるのは背骨の湾曲の具合。

ふつうの人はS字がよく見えますが、

ダンサーの背骨は湾曲が少なく真っ直ぐに近い状態です。

それに伴い、頭の位置や骨盤の傾き具合など

総合的に骨の積み上がり方がふつうの人とは違います。

これが、ダンサーの背筋がスッと見えて

美しい立ち姿と感じる理由です。

では、そんな社交ダンスのプロダンサーの姿勢を

手に入れるには?!

今回は、ダンサーの立ち方、姿勢の作り方を

徹底解説したいと思います。

まず、自分の身体を意識的にコントロールして

理想の立ち姿を手に入れるために知っておきたいのは

骨に関する知識です。

最初の画像の横から見たふつうの人とダンサーの立ち姿で

違いが大きく見えたのは背骨の湾曲でしたので、

背骨の構造から確認していきたいと思います。

背骨、つまり脊柱の構造ですが、

脊柱の一番下は尾骨、

その上に骨盤の背中側についている仙骨が続き、

更にその上に、ブロック状の骨が積み上がって

長い背骨を構成しています。

仙骨の上に腰椎が5つ、胸椎が12、頸椎が7つと

積み上がっています。

この様なブロック状の骨が積み上がった構造のおかげで、

背中は湾曲させたり伸ばしたりすることが出来るのです。

つまり、ダンサーのスッとした立ち姿は

このブロック状の背骨を限りなく真っ直ぐに

積み上げることにより実現させることが出来ます。

社交ダンスのレッスンのアドバイスでコーチャーが

ロングスパインと言うことがありますが、

ロング(=長い)スパイン(=脊柱)という意味で、

まさに一番長く伸びた状態の背骨ということですね。

わかりやすく言えば、、

身長を測るときに身長計に背骨をあてて

なるべく背が高く測れるように

背中を伸ばしたことがある方も多いと思いますが、

あの状態を上手くつくることが出来ればいいのです。

では、その作り方を具体的に説明していきたいと思います。

足元は、

両足を閉じた状態でつま先は真っ直ぐ前に向けて

足の裏全体に体重がふんわりストンと落ちるように乗ります。

身体は力むところはなく、リラックスさせて

どこの関節も緩めておきます。

次に地面から水を吸い上げるようなイメージで

足元から身体の中を通って頭の先まで抜く意識で

骨を積み上げて行きます。

ひとつひとつ丁寧に説明しますね。

まず、

土踏まずの内側から左右の足の内側、内ももを通って

骨盤の下から骨盤内まで吸い上げます。

骨盤の中の内臓も表面についているお肉も

きれいに骨盤の中に吸い納めます。

呼吸は吸っても吐いても出来ますが、

はじめは吸い上げるイメージに近づけるために

吸ってみましょう。

(慣れてきたら吐きながらもやってみてください。)

骨盤の中にきれいに吸い納めたら、

それをグッと背中側の仙骨に引き入れて行きましょう。

身体全体が固まること無くリラックスして

足首、膝、股関節も緩んでいれば

そけい部がキュッと集まって

骨盤、仙骨が立ち上がる感覚を感じられると思います。

コツを掴めば、この時点でもう

仙骨の上に積み上がっている

腰椎、胸椎、頸椎と真っ直ぐ立ち上がって

頭の先に抜けていくのが感じられるようになりますが、

(ほぼ一瞬ですね。)

今回は丁寧に見ていきます。

足元から両足の内側を伝って

骨盤の下から吸い上げて、仙骨側に引き入れたら、

それを背骨を伝って頭の先まで吸い抜いて行くことで

背骨のブロックの一つ一つをふんわりと一番長く、

呼吸と意識で、真っ直ぐ積み上げて行きます。

土踏まずから骨盤内に吸い上げ

そけい部がキュッと集まって骨盤、仙骨が立ち上がると

その上にある腰椎の湾曲も伸びてお腹側は引っ込みます。

腰椎の湾曲が伸びると

その上にある胸椎も縦に長く積み上がり、

背中が広くなり、肋骨は閉じた状態になります。

胸椎が積み上がって頸椎も積み上がり、

最終的に頭蓋骨に伝わり、それを頭の先から抜いて行きます。

頭蓋骨は後頭部を通って抜くイメージです。

目は後頭部についていると思って見ると

一番後ろから顔の立体感を感じられ、

頭が前に行ってしまうのを防げるのでお薦めです。

また、頭蓋骨は成人で

だいたい5kgもの重さがあるというので

首や肩周りに一番負担のないところに

なるべく無駄な筋力など使わずに

積み上げておくことは重要です。

先ほど順を追って足元から積み上げた

背骨の一番上に後頭骨側に

ストンと置いておきましょう。

美容師さんにシャンプーしてもらっているときに

後頭骨側を受け止めてもらって

頭の重みを全てあずけてしまった状態を

思い出してみると頭の力も抜きやすく

無駄な力も抜けると思うので

ちょっと試してみて頂ければと思います。

手順を細かく追ったので、

文章にすると長くなりましたが、

やってみると呼吸を全身でするようなものなので

ほぼ一瞬で骨は積み上がります。

社交ダンスではこの状態で踊り続けます。

つまり、ロングスパインはマストなので、

この様に、余計な筋力など使わずに

姿勢はキープしたいものです。

まだわからない感覚のコツをつかむまでは

繰り返しが必要かもしれませんが、

骨が真っ直ぐ積み上がるイメージで

自分を内観視しながら

電車で立っているときなど、

隙間時間にぜひ試してみてくださいね。

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